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2004 年 12 月 20 日 : Kaleidoscope

世界は抽象化を極めれば、四次元の万華鏡のように不思議な魅力に満ちた景色になるのかもしれない。

「過去」、「現在」、「未来」の時間の流れと、「ヒト」、「モノ」、「カネ」の経営資源からなる空間の構成との関連を鮮明にイメージすることは経営者にとって欠かせない。

過去から現在への時の流れから未来の空間を予測できるかできないかで、その経営する企業の命運が大きく左右されるといっても過言ではない。

時間の流れに伴う空間の連続的な変化を見通すセンスを磨くためにはどのようにすればいいのだろうか。

経営的な観点、特に、会社を創リ出すということに絞って述べてみたい。

普段から心掛けているのは、音楽を聴くこと、それから絵画を観ること。

音楽を聴くことで、時間軸に沿ったリズミカルな感性を磨ける。歌には、簡潔な詩的表現に込められた“思い”とリズムのシンクロ二に感動も発見できる。強弱をつけたり、ペースを速めたり、遅くしたりと名曲に匹敵するように行動できれば、自然な流れで進めるんじゃないかと感じる。

名画の鑑賞では、な色合いとかオブジェクトの配置といったものの感性を磨ける。誰が見ても美しいと言われるような良いものができればいいし、プロジェクトに関わるスタッフや必要な資源を、どうやって適材適所させるか。それによって結果はまったく違った風に変化する。ほんの少しの断片によって景色が変わる万華鏡のように。

経営は、時間軸上に展開される事業の空間をどうやって最適に制御するか――である。プロデュースする、コラボレートするということである。

映画の場合、映画のシーンに合わせて、それにフィットする音楽が自然に醸し出されるような感じで、時間と空間をどうコントロールできるかということに似ている。

感性を磨く上で、音楽や絵画といったような芸術から感じ取り学べる要素は非常に多い。

日本の教育では、芸術以外の受験勉強が中心になっていることが多い。最近思うのは、芸術から得られるものが役立っているということ。名画、名曲、と言うものの、判断も人それぞれであるのかもしれないけれど、シンプルに考えて、まず自分が好ましいと感じるものを、大切に押さえていけば間違い無い。

京都には 1000 年以上にわたって生き残ってきた、音楽、建物、庭園、絵画、古文書など数多くの遺産がある。ほんの少し足を伸ばしただけで美しい自然、それも、昔ながらのナチュラルなものと人の手の粋を凝らしたものがある。

絢爛豪華とわびさびと、雄大な美とささやかな美とが共存している。ここには、時間と空間を想起させるありとあらゆる美しいものが有る。

願わくば、過去の遺産や伝統を受け継いで、京都の会社である、と名乗ることができるように会社を育て上げたい。