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Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : 2005年09月

2005 年 09 月 28 日 : +∞ のソフト技術

SF 作家の George Johnson 氏の的を射たコメントからもうひとつ。

"コンピューターは自分自身をてこにして進化発展を遂げる性質を持つ。言い換えれば、未来のコンピューターは現代の進化したコンピューターを使って創られるということだ。このサイクルは停止することなく永遠であり無限にポジティブフィードバックのスパイラル曲線を描く。"

過去の歴史を紐解けば、George Johnson 氏が述べるプロセスを経てコンピューターは進化発展し今日に至っている。職人によって施される幾重にも重層的に漆塗りされた漆器に味わい深さを覚えるあのフィーリングに近いかもしれない。そんな無限大"+∞"に通じる流れに身をゆだねる姿勢から未来への理想の結果が生じるのではないだろうか。

未来にタイムトリップして世界を展望した時。多層的な構造を織り成すユビキタスなソフトウェアについて願うこと。そのソフトを構成するいくつかの層は、ソフィア・クレイドルのソフト技術によるものであってほしい。

携帯電話向けソフト技術で重層的な構造を持つものはほとんどないが、過去のコンピューターの潮流から洞察すればそうなることは自明のことのように思われる。何年先かと時期を特定することは叶わない。けれども早かれ遅かれそんな時代は自ずとやってくるだろう。

2005 年 09 月 27 日 : +0 のソフト技術

無限小 Infinitesimal の値 +0 は、0 よりは大きいけれども如何なる正の実数よりも小さな数として数学的に定義される。

SF 作家の George Johnson 氏が興味深い発言をしている。

"情報には質量や重さといった概念がない。だからコンピューターは実体のあるモノを扱う従来の機械とは違い何処までも無限に小さくできる。"

ムーアの法則は「半導体の集積密度は 18 〜 24 ヶ月で倍増する」という法則である。換言すれば"同じ機能のコンピューター"が 18 〜 24 ヶ月ごとに 2 分の 1 だけ小さくなるということだ。

ムーアの法則が永遠に成り立つとは一般には思われていない。いつか限界が来るとほとんどの人は思い、そこに思考の壁を自ら作っている。半導体を前提としたコンピューターについては当てはまるかもしれない。しかし"コンピューター"と"半導体"は独立した事象と捉えた方が思考そのものが自由に解き放たれ発想がひろがる。

ソフィア・クレイドルの究極のビジョンは、George Johnson 氏がいう無限小の値 +0 のサイズにまで超小型化されたコンピューターにおけるソフトウェア技術面でのブレークスルーである。だからこそ" +0 のコンピューター"向けソフトを記述するためのプログラミング言語とその言語によって記述されたソフトを圧縮する技術に非常にこだわりがある。

肉眼では見えないほど微細な生物細胞の核にあるといわれる遺伝子 "DNA" には、現代のコンピューターでも瞬時に解読できないほどの情報が内在する。

無限小 +0 コンピューターの謎を解く鍵はあらゆる生命が持つ玄妙な本質にあるのかもしれない。

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2005 年 09 月 24 日 : Blog検索エンジン考

BLOGを書く人が増えている。

それに伴って膨大なBLOG情報がインターネットに溢れるようになってきた。自分にとって価値のあるBLOGを見つけ出せないジレンマに陥る傾向に拍車がかかる。BLOG 検索エンジンが次のビジネスチャンスになりそうだ

BLOG 自体はシステム的に複雑でなくて、それなりの人が取り組めば実現可能なソフトウェア技術である。その証拠に世界中でいろんな人が様々なBLOGシステムを開発し発表している。

しかしBLOG 検索エンジンに関しては従来のソフトウェア技術をブレークスルーするものをいまだ知らない。自分のフィーリングに合ったBLOGを検索する術がない。

新しいBLOG検索エンジンに関してひとつ思うことがある。BLOGというのはひとつの著作であり、一般的な傾向としては自分にとって読む価値のあるものは、文体や言葉、その連なり、その音の響きが自分のとって何処となく心地よいものではないか。

SPAMメールを排除するシステムには学習させることによってメールの内容からSPAMと判別するものがある。個人的に利用しているSPAMメールフィルターにはこの"ベイズ理論"という数学の確率理論が使われている。その精度に満足している。

ネットで調べると、Thomas Bayes氏は18世紀に生きた、聖職者兼数学者のイギリス人だったらしい。何百年も前の数学的理論が現在のコンピュータに応用されているだけに、Thomas Bayes氏の偉大さが窺い知れる。

"ベイズ理論"によれば、ある事象が発生する確率は過去の同じ事象の発生頻度によって概ね予測できるという。言い換えれば、その原因から起こる結果についての確率が分かれば、その結果を引き起こす原因が分かり未来を見渡せるということである。

この理論を応用し、自分のフィーリングの尺度でBLOGを数値化できれば、その人にとって心地よい新しいBLOG検索エンジンが創造できるかもとふと閃いた。

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2005 年 09 月 23 日 : ランニングハイ

9月23日金曜日。

今日になって、MR.CHILDREN の 1 年 5 ヶ月ぶり 12 枚目のアルバム"アイ ラブ ユー"を入手したので早速聴いてみた。(歌詞カードのデザインがユニークで美しかった)

そのなかでもお気に入りの曲は"ランニングハイ"。

   息絶えるまで駆けてみよう
   恥まき散らして
   胸に纏う玉虫色の衣装を見せびらかしていこう

ベンチャー起業にもこんな雰囲気がないと何事も成就しないのではないだろうか。

思うままに信じるままに全力を振り絞って駆ける軌跡の、その先に輝ける何かがあると信じている。それに心地良さを感じる。

全力疾走は最初の助走段階では耐え難い苦しさがある。しかしそれを乗り越えれば"ランニングハイ"の世界だ。新しい出来事の発見に爽快感を得てポジティブな気持ちで。

2005 年 09 月 23 日 : ビューティフル

"思い"をどうすればスムーズに実現できるかについて考えてみた。

ものごとが成就するプロセスというものは○か×という単純な二者択一の意思決定の複雑な綴れ織りのようなもの。実際、ベンチャー経営は"いばらの道"というのが現実ではないだろうか。その根底にある理由を探る思考がベンチャー起業の成功への早道のように思える。抽象化された概念を考える、というのは時間と忍耐が要求されるものであるが急がば回れともいう。

先に述べたように、経営とは二者択一の意思決定をどれくらい正しく実行したかが全てとも言える。至極簡単なものから極めて判断に迷うような難解なものまでそれは多種多様である。

けれどもどんな難題も、その発端はごく些細な問題に過ぎない場合が大半である。現実には瑣末であればあるほどそれは人の目に入りにくい。だからどんなに小さくてもそれに気付けるかどうかがあらゆるものごとを意思決定するための定石なのである。

具体的な話でいえば、メートル単位の違いは誰にでも容易に判別が付くけれどもミクロ単位の差が分かるというのはマニアックな職人技である。そのミクロの差のような微妙なものに気付ける資質や能力が重要である。

言い換えればそれは自分の感性をどうやって磨くかの問題にあると思う。感性とは人間が生まれながらに持っている感覚で自然に感じるままのことである。一流といわれる素晴らしいものを観たり、聴いたり、触れたり、味わったりすることで"感性"というものはぐんぐんのびてゆく。

目先の利益にとらわれて自分の思いとは逆の行動をすれば、生まれながら持っている人としての優れた感性を退化させてしまいかねない。結果的に悪循環に陥ってしまう。

素晴らしい企業や作品を創造できる循環は、誰にでも備わっている感性をそうやって育んでゆくところから始まるような気がする。

2005 年 09 月 20 日 : シフク

シフクノオト。

この連休、"Mr.Children"の"シフクノオト"を何度も聴いていた。そして CD に付属する DVD を鑑賞しながら思いを巡らせていた。

その DVD には"シフクノオト"というアルバムの音が創作されてゆく過程が記録されている。とても人気のあるアルバムだからその DVD を観られた方も多いかもしれない。

何故評価が高いのだろうか。強く感じたのは細部へのこだわりだ。しかもすべてのスタッフが楽しみながらやっている。

ベストなものを創り出す為に、何度も何度も同じ箇所をいろんなパターンで試し、その中から最上のものだけを情熱を持って音にしていくプロセスをひしひし実感できた。

翻って考えてみて、ソフィア・クレイドルのサイトやソフトについても、言葉では表現できない細かなところや雰囲気にこそ、最善を追求する姿勢がその作品の運命を決定付けるのだろう。

微妙なニュアンスにも配慮して「これでパーフェクト!」という確信と自信が持てるまで、最高の作品を創造し成長させてゆく道程が、私たちにとってのシフクかもしれないと思えた。

2005 年 09 月 19 日 : V / P

人は何を以って判断しモノを買うのか、ということをベンチャーを創めてから考えるようになった。

シンプル&ロジカルに考えるなら、製品やサービスの価値を V 、価格を P とした時に V ÷ P の値が 1 より大きければ買いだ、という当たり前の結論に達する。

厄介な問題は、製品やサービスの価値 V を金額に換算し表現するのが、新しいコンセプトのモノほど難しい点にある。突き詰めればベンチャーのマーケティングとは、自社の製品やサービスの新しい価値 V がその価格 P を上回っているという事実を、お客様に分かりやすく具体的にプレゼンする過程であろう。

新しい製品やサービスは実際に試してみると判るものが多いのではないだろうか。だから最初にどういう理由でどのようなお客様に試してもらうか、のシナリオ・プランニングが重要だ。

とりわけ大切なのは"値付け"になってくる。

今は全ての製品について30万円、50万円、100万円という、3種類の価格で販売している。

その考え方の基本は、どんなお客様に対しても
   V ÷ P > 1 (敢えて理想をいえば 10 以上の値になることを想定してデザインしている)
を押さえた上で、実際に購入してその V の値を実感してもらうところにある。

年収数百万円の人が 3000 円の CD を買う日常の生活シーンを想像してほしい。音楽に興味のある人ならば、少し試聴してなんとなく良さそうに思えばその CD を購入するだろう。

それと同じ感覚で考え値付けした。年に数億円以上の予算がある企業や組織にとって 30 万円のソフトを買うということは、ごく普通の人が 3000 円の CD を購入するのに近い。

製品やサービスを初めて使ったときに、価値 V と価格 P の関係は明白になる。

V ÷ P の値が1を大きく超えれば超えるほど、そのビジネスは安定した上昇気流にのってゆくことだろう。

お客様が V ÷ P の値をどう実感するかにそのビジネスの未来は委ねられる。

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