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2005 年 01 月 28 日 : スケーラビリティ

大企業でサラリーマンをしていた頃、組織図には必ずヘッドカウント、所謂、頭数が記載されていた。部長や本部長といった、組織のトップは、そのヘッドカウントの数字を競い合って、自分たちの権力や権威というものを誇るかのようだった。

IT 用語の「スケーラビリティ」とは、利用者が増加しても、システムへの要求や負荷が増大したとしても、そのコンピューターシステムは柔軟に対応できる、ということだ。

これから、21 世紀の企業経営において、「スケーラビリティ」という考え方が重要になってくるのではないだろうか。65 歳定年制、社会保険料の負担増等など、社員数が多いことが必ずしも企業の好業績に直結せず、寧ろマイナスに作用しかねない傾向にある。

だから、たとえ売上が増加基調にあるにしても、人材採用はできるだけ控え、現有の人員で増加した分の仕事をこなす術が重要になってくるだろう。どのように頑張ったとしても、処理しきれない段階になって初めて、新たに人材を採用するというのが良さそうに思えてくる。

ソフトビジネスの場合、外注など外部からの仕入れをしなければ、経費や製造原価に相当するものの大半は人件費である。だから、注文が増えたとしても人の数はそのままで済むような仕組みを創っておけば、売上の増加以上に利益はグーンと伸びる続けることになる。

ベンチャーの場合、急成長している時に一気にたくさんの人材を採用するところが多い。ベンチャーが手掛けるのは新興ビジネスであるだけに、競争は激しく、またブームやトレンドにも左右されやすい。形勢が不利になった時にどのように凌ぐかというのが一つの分かれ目になろう。

経営手腕に秀でたベンチャー起業家は、どんな状況にあろうとも持ち前の経営センスでその難局を容易く乗り切れるだろう。しかし、そのような起業家はむしろ稀有な存在といえよう。大抵、自分の力を過信するところに、落とし穴が虎視眈々と待ち構えているものだ。

増え始めれば最早止めることができないほどの、ポジティブなフィードバックで稼動する経営システムを予めプログラミングしておけば、その分、のりしろの範囲も広く、少々の社会情勢や業界環境の変化も吸収できる。

そうすることで、スタッフたちの生活は豊かになり、職場の環境も働きやすくなり、未来の新規ビジネスにも余裕をもって楽しく愉快に臨めるのではないだろうか。