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2005 年 04 月 11 日 : Language for mobile phone

日常生活のコミュニケーションの基本中の基本は「言語」にあることに異論はないだろう。あまりにも当たり前過ぎて逆に「言語」というものに対する考察が等閑になりがちだ。それでコミュニケーションにおける数々の問題がいたるところで発生している。

コンピューターを思いのまま運用するには、ソフトウェアがそのハードウェア装置と密接にコミュニケーションをとる必要がある。そのための道具が「プログラミング言語」である。一般にコンピューターを動かしているソフトウェアは「プログラミング言語」を使って人間が記述する。

コンピューター業界でも、「プログラミング言語」は自明の存在で、真剣にその本質に迫って考察しようとする人が少ないように思える。ロジカルに考えれば、「プログラミング言語」は前提条件になるのだから、この前提が間違っていればすべて崩壊しかねないだけにいくら注意を払っても十分過ぎることはない。

大学生の頃、ある言語から別の言語へプログラムを変換するための基礎となる、チョムスキーの言語理論を勉強したことがある。チョムスキーによれば、プログラミング言語に限らず、人間が扱う言語は一般に普遍的な文法で表現することが可能らしい。だから、その効能はともかくとして、英語から日本語、或いは日本語から英語など、今ではあらゆる言語間の機械翻訳が可能で実用化されている。その頃、そんな未来の世界に期待感を抱いていた。

ソフトウェアを記述するための言葉であるプログラミング言語のエッセンスを知れば知るほど、それだけ素晴らしいソフトウェアを創作できると私たちはソフトウェアの研究開発に勤しんでいる。

コンピューター業界に詳しくない方はご存知ないかもしれないが、発行済株式の時価総額が今や世界 No. 1 となった米国マイクロソフト社の出発点は、BASIC というパソコンでは史上初のプログラミング言語の事業だ。意外かもしれないが、Windows などのオペレーションティングシステムや Office などのアプリケーションパッケージではない。BASIC というプログラミング言語があったからこそ、パソコン上でプログラミングしソフトウェアを創造しようと考える人たちが世界中で増えていった。そして、パソコン向けソフトウェアの市場が創出されたのだ。いろいろと批判は多いが、そういう点においてマイクロソフトは創業当初この業界に多大なる貢献を為した。

そんなこともあって、ソフトウェア業界でビジネスを成功させるためには、プログラミング言語の位置付けについては慎重に考えるべきだし、ビジネスにできるのであれば磐石な競争優位の確立すら可能に思っている。

実際のところ、ソフィア・クレイドルでは JavaBREW(C/C++ という 2 種類のプログラミング言語を扱っている。Java に関しては、Java という言語のシステム的な構造をプログラミングすることによって、普遍的に Java のアプリケーションが圧縮できるような仕組みを技術開発した。BREW( C / C++ )に関しては、C++ というプログラミング言語を、クオリティと機能性の優れたモバイルのアプリケーションが容易にスピーディに開発できるように、C++ というプログラミング言語の仕様を拡張している。何れのビジネスもソフトウェアビジネスのインフラであるプログラミング言語の周辺分野であり、謂わば空気のような存在である。別の言い方をすれば当たり外れの少ない世界といえる。

ベンチャービジネスといえば、10 件に 1 件当たればそれで良しとする風潮がベンチャー向け投資家の筋にあったりする。そのベンチャーをやっている当事者からすれば敗北することは許されない。必然的に成功する理由が必要であろう。勝つべくして勝つ、これからのベンチャーはそのように運営されなければとつくづく思う。それを現実にするための近道は、日常生活での当たり前のような話に隠されているような気がする。