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2006 年 03 月 22 日 : Memory

Andras Schiff が演奏する、J. S. Bach が作曲した "Keyboard Concerti Concerto #5 in f, BWV 1056 - Allegro/Largo/Presto" を聴きながら、この文章を綴っている。

客観的な事実として、単にひとつの曲に過ぎないのだけども、この曲を聴く様々な人の想いや心情といったものは一言で表現するのは不可能に近い。

同じようにホームページやメール、ブログに載せる文章にしてもそんなことが日常茶飯事のように起こり得ると考えた方が良いだろう。

ある事象をひとつの文章にまとめたとする。

その時、客観的に同じ意味を持つ内容が幾通りにも表現でき、その中から最善の表現を試みるという姿勢が大切である。

文章がアタマの中で映像化されて、希望や願望にシンクロするものであれば、きっとその内容は永く記憶されるに違いないと思う。

たった一度だけ聴いた名曲のワンフレーズが、生涯に渡って忘れ得ぬ記憶として残るのと同じである。

冒頭に記した、J. S. Bach の曲は僕にとってそんな曲である。

ビジネスでも基本はそんなところにあると思う。

ホームページやマニュアルなどのドキュメントの文章を書くときに、名曲や名画を創作しようとする心構えでいるかどうかで結果は天と地ほどの差が生まれる。

大事なのは、意味が通じれば良いということではなく、人々の心のなかでそれがどんな風に響くかというイメージそのものである。

もしそれが J. S. Bach の曲が奏でるメロディのように、人々の心に和むものであれば、これほど素晴らしいことはないだろう。