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President Blog : Sophia Cradle Incorporated

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2005 年 12 月 18 日 : ロングヒット

今から 2 年ほど前に、「BREWプログラミング」というページを創った。それからずっと、内容に変化はない。たった 1 ページのコンテンツなのだけれども、コンテンツをアップしてから毎月アクセス数は 2 年の時を経て今もなお増え続けその輝きを失っていない。

いわゆるロングヒットである。

Google にて、"BREW"と"プログラミング"で検索すると、いつも 1 位と 2 位にランキングされている。多くのお客様は Google 経由で訪れるのであろうが、ある意味においてこれはネットビジネスの妙味ではないだろうか。

僕たちにとっては過去の出来事に過ぎないんだけれども、それに価値を見出してくれる人はネットの空間に数え切れないくらい存在しているのだ。見知らぬ世界で、僕たちのコンテンツがオートマティックに人びとの価値創造に貢献していると言えるなら喜ばしいことである。

最近では、いつまでアクセス数が増え続けるのかということに関心を抱くと同時に、そんなページを創れるかどうかがネットの世界で生き残るための一種の秘訣ではないかと確信するようになった。

ソフィア・クレイドルのサイトで、「BREWプログラミング」以外にもアクセス数が伸ばしているページは多数ある。

それらのページに共通したポイントとは何なのか?

コンテンツそのものに価値があるというのは当然として、果てしなくひろがるネット空間において世界で初めてその情報を開示することが最も重要なポイントではないだろうか。

このようなアプローチを採る企業は稀な存在であるからこそ、その分野で一歩リードできるのだと信じて進んでゆきたい。

2005 年 12 月 12 日 : 創業の頃

最近まで、創業・ベンチャー国民フォーラムのサイトに掲載されていた記事です。サイト自体がなくなっているので、Googleにあるキャッシュから復活させました。( 2004 年 1 月の話)

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「携帯電話に特化したソフトウェア基礎技術で業界から高い評価」

起業のきっかけと研究開発スタイル

 私は、i モードが登場した 1999 年 2 月にテレビCMを見ながら、これは面白いと直感しました。その後ビジネスとしての可能性を模索し、2002 年 2 月に起業しました。

 最初は、大きなプログラムが携帯電話に収まるよう自動的に圧縮するソフトを開発しました。製品は大手のゲームメーカーを中心に売れ、iアプリなどの携帯電話用ゲームに導入されています。 さらに現在ではウインドウズのような機能を携帯電話に搭載した製品を開発し、販売しています。

 今のパソコンは、5 〜 10 年後には携帯電話のサイズに収まるようになると思います。パソコンのウインドウズ、ブラウザ、データベースなどの機能を携帯電話に搭載すれば、大きな市場が生まれます。

 顧客と相談しながら当社製品の機能を拡張していけば、想像できないことが起こると思います。当社では、われわれが考えるコンセプトを製品として実装し、まず先進的なものを好む顧客に使ってもらいます。そしてその顧客の意見やアイデアを製品のバージョンアップに反映しています。まず 1 社で採用してもらうことで実績を積み、その後 2 社、3 社と徐々に取り引きを広めていくのです。

必要な人材

 自分で高い目標をもてる人が、私の考えるいい人材です。さらに、1 人ではいい製品はできません。さまざまな考え方を 1 つの製品にするということがいい製品を生みます。自律的に物事を考えることができ、異なる発想をもつ人と上手にディスカッションし、1 つの作品をつくり上げる人が必要です。

 社員には、自分で考え、社員間で議論してさらに考えることを徹底させています。さまざまな書籍を読み、さまざまな人の意見を聞き、自分の意見をぶつけ合い議論する。その結果に基づき行動し、どのように物事が進むのか観察し、物事の原理原則を見い出してそれを製品化する。当社には、目先の利益を追うのではなく、10 〜 20 年先を見据えた長いスパンで物事を考える人に集まってもらっています。

 また、創業時は、私だけが正社員で残りはアルバイトでした。売り上げや利益を見ながら、昨年から一人ずつ正社員化していき、現在は、常勤役員 2 名、正社員 4 名、アルバイト 10 名の計 16 名でやっています。

 実際正社員として入社すると、自分が思っていたことと現実のギャップが激しいのです。アルバイトとして働いてもらい、本当に当社で働いて楽しいと思えば正社員になってもらえばいいと思います。大企業で働くことが合っていると思えば、そちらに進む。お互いにそうしたほうがいいと思います。

徹底したローコストオペレーション

 高度経済成長期の日本企業は、社員を増やし、利益を度外視し、売り上げ規模を拡大してきましたが、結果としてリストラを行いました。当社は規模ではなく、社員 1 人あたりの売り上げや利益を重視しています。

 また、市場を世界中と捉えているため、営業拠点を新たに東京に設置することは考えていません。ソフトはインターネットで配信できます。IT 技術を活用すれば、支店をつくる必要はありません。Web サイトを通じさまざまな問い合わせに応えることで、顧客と良い関係を維持しています。

 創業時は、机やいすなどの備品も中古で購入し、経理などの事務も社長の私が担当しています。製品販売も、広告をだすのではなく、新聞や業界のホームページにプレスリリースを掲載してもらうことを考えています。出張も極力押さえ、営業は電話、メール、Web サイトなどを活用しています。

 こうしたローコストオペレーションで売れなければ、世界中に広げる製品はできないと思います。訪問して製品を買ってもらうのではなく、製品そのものの良さを理解した上で、買ってもらうことが重要です。

起業を目指す方へ

 現在の事業環境は、私が起業時にイメージしていたとおりにはなっていません。厳しい現実があり、そこをいかにして乗り越えていくかが課題です。

 こうした時支えになるのが、「なぜ自分は起業したのか」と思い出すことと、「自分が思っていることは、絶対達成できる」と諦めないことです。

 私は、毎年成長し、その成長の度合いも年々大きくなっていくなど、自分も社員も成長が感じられる会社をつくっていきたいです。着実に実績を積み重ね経営基盤を固めた上で、携帯電話会社や携帯端末メーカーなど大手企業と提携し、われわれの技術を広めていきたいと思います。

 数値化できない品質やデザイン力を高めていけば、生産量の多さや低コストで攻勢をかけてくる中国や東南アジアにも対抗できます。自分の好きなことで結果を出し、さらに良い環境の中で仕事をし、より顧客にとって使い心地が良い製品をつくる。

 私は今の自分の実力の範囲内で事業を展開していくことが必要だと思います。ベンチャー企業は、4 〜 5 年以内に上場を目指すなど急成長のイメージがありますが、自分たちの能力以上のことをやると会社は潰れてしまいます。徐々に自分の能力や人格などを磨いていけば、自然と結果もついてくるのです。

2004 年 1 月

株式会社ソフィア・クレイドル
代表取締役社長
杉山和徳

1962年10月大阪市生まれ。外資系コンピュータメーカー、シンクタンク、ITベンチャーを経て、2002年2月に京都市にて携帯電話向けソフトの研究開発を事業目的とした株式会社ソフィア・クレイドルを創業。現在までに、携帯電話向けのプログラム圧縮、ユーザーインターフェース、ネット閲覧などのソフトウェア基礎技術で業界から高い評価を得ている。

※誤字脱字などの不適切な表現、数字の誤りは修正しました。

2005 年 12 月 10 日 : 時間+空間

「地球を手にとって眺めたい」というような発想は何百年も昔の人びとには有り得なかっただろう。

でも、科学技術が発展した現代に生きる人びとの中には、そんな願いを抱く人は数多くいる。古代と現代で、人びとの世界観は天と地ほど変化しているとも言える。

何がそうさせたのか?

それは飛行機であり、スペースシャトルであり、空や宇宙を高速で駆け抜けてゆく乗り物の発明ではないだろうか。

時折、大空を飛んでゆく飛行機を眺めはするものの、その可能性や意味について想像したり考えるのもたまにはいいものだ。

例えば、大阪から東京までの 500 〜 600 km の距離なら飛行機で 1 時間もあれば十分である。アバウトだけど人が歩く 100 倍のスピードである。逆に言えば、飛行機によって人の足は 100 倍になったという見方もできる。

飛行機の発明があって、人の移動距離の限界が 100 倍に延長され行動範囲が 100 倍に拡張されたということである。桁違いの能力の獲得は、人びとの生活や世界観を変革するものである。

同様に、コンピューターについてもそれは当てはまる事実である。コンピューターは人の頭脳の能力の限界を解き放ってくれるテクノロジーだと思う。そもそも人の頭脳にはムゲンの可能性があるだけに、コンピューターの果たす役割はさらに素敵なものにちがいないと確信してる。

飛行機以上に、人びとの世界観を変革するツールとしてのコンピューターの未来は永遠に果てしなくひろがっている。

2005 年 12 月 07 日 : コピーライティング

サイトリニューアルも大詰めを迎え、いつになく多忙な日々が続く。

「行百里者半九十(百里を行く者は九十を半ばとす)」(『戦国策』秦三巻)という。もう少しで完成するにしても油断せず、全力を尽くす習慣が偉大な成果に繋がるのだと信じる。

半年間というもの、Web マーケティングチームと日々有益なミーティングを交わしながら、完成度の高いサイトに仕上がりつつある実感を得ている。見た目の色やデザインも重要だけれど、相変わらずメッセージで言いたいことを伝えるのは難しいと痛感している。

例えば、「山」、「川」、「海」は単なる"文字"としての「ヤマ」、「カワ」、「ウミ」じゃないのだ。言葉を読んだり、聴いたりした時、脳裏に描かれた、個々人にとっての「山」、「川」、「海」の情景、或いは心の中を駆け巡る自然の音色なのである。

そんなことを意識しつつ、一言一言に思いを込めて、サイトにメッセージを刻んでいるのだ。僕が思いも寄らぬ情景を読者が思い浮かべることで、何らかの新しい創造的な出来事に発展するのならば…と想像するだけでわくわくしたりもする。

活字離れが叫ばれて久しいが、大切な事実がひとつ隠されているように思う。

ひとつひとつの言葉は、人々の頭の中で消化された瞬間、マルチメディアとしての音と映像に変換される。それは、コピーライティングをする上で極めて重要な原理原則である。

2005 年 12 月 04 日 : マーケティングセンス

名人級の漁師ならば、潮の流れや色の変化からどこにどんな魚がいるのかほぼ 100 %の確率で言い当てるという。

そんな風に、現実のビジネスでも経営者のビジネスのニオイを嗅ぎ分けるセンスが企業の明暗を決定づけると言ってもよい。だからこそ、経営者たるものビジネスセンスを磨く努力は欠かせない。

KDDIの携帯電話のプラットフォームは米国クアルコム社BREW

2003 年 2 月に初めて東芝製の BREW 搭載携帯電話・第 1 号機種が出荷された。それ以来、徐々に BREW が搭載された携帯電話も増えつづけ、既に 1400 万台を突破している。今では、NTT ドコモも BREW 搭載携帯電話を出荷している。

BREW が国内で出荷される 1 年前からこのソフトビジネスを展開している。今ではそれが本業といってもいいくらいに力を入れている。最初の頃は、国内でこのビジネスに参入している企業は皆無だった。モバイル業界ではほかに儲かる領域が至るところにあった。

でも、このビジネスに参入した。何故ならば、 BREW というプラットフォームは必ず世界中に拡がるという直感ともいえる閃きを感じたからだ。将来は定かではなく、さらにペースに想定外なこともあった。今では確実に全世界で普及が進んでいる。

当初、普及のスピードは遅かった。ともすれば誰しもが途中で諦めるような事態は何回もあったが、未来を信じて前へ進んだ。

何故 BREW がこれほど普及すると感じたかについては、例えばアートに触れたり音楽を聴いたときにそれをしっかり見極めるセンスに似ていると思う。だから、これは技術者が BREW というものを自分なりに学んで、将来のビジョンを想像した結果とも言えるだろう。

周囲の人を見ていて思うのは、いろんなケースについて未来を予測する訓練をしている人が少ないということ。そんなセンスも訓練次第できっと伸びてくる。様々なシーンをイメージしてみることを繰り返してみよう。きっと未来は素晴らしい景色として映るだろう。

2005 年 11 月 25 日 : 携帯 Java と BREW の独自開発ノウハウをソースコード付きで無償公開

ソフィア・クレイドル、携帯 Java と BREW の独自開発ノウハウをソースコード付きで無償公開

[PRESS RELEASE]

ソフィア・クレイドル、携帯 Java と BREW の独自開発ノウハウをソースコード付きで無償公開

−携帯JavaからBREWへの移植、C++によるBREWアプリ開発、BREW での浮動小数点演算など−

[概要]

携帯電話向けソフト開発の株式会社ソフィア・クレイドル(本社:京都市、代表取締役社長:杉山和徳、以下 ソフィア・クレイドル) は、2005年11月 25 日より同社サイトにて携帯Java【※1】とBREW【※2】に関する情報サイト ”Tech Cradle” の運営を開始します。”Tech Cradle” では携帯 JavaアプリのBREWへの移植方法、 C++【※3】によるBREWアプリ開発、BREW での浮動小数点演算など、これまで公開されることがなかった、携帯ソフト開発ノウハウがソースコード付きで無償提供されます。


[詳細]

FeliCa、地上デジタル放送、デジタルオーディオプレイヤーなど携帯電話の利用シーンの幅が広がっています。携帯ソフト開発には、大規模・複雑化やサイズ制限など携帯ソフト特有のさまざまな問題があり、実際の経験などに基づくノウハウが不可欠です。しかし実践的なノウハウがインターネット上に公開されることはほとんどありません。

2005年11月25日、ソフィア・クレイドルは同社サイトで運営中のデベロッパページを ”Tech Cradle” (テック・クレイドル)としてリニューアルし、これまでインターネット上で公開されることが無かった、携帯ソフト開発に関する、実践的な独自ノウハウをソースコードも含めて無償公開します。

公開されるのは、

[ 1 ]携帯 JavaアプリをBREWに移植する方法:
   携帯 Java とBREW の違い、移植時の注意点を含め移植方法を解説
[ 2 ]C++を用いたBREW開発のポイント:
   BREW C++ プログラミングの解説と、文字列クラス/ヒープクラス実装などの実践的テクニック
[ 3 ]BREW での浮動小数点演算の使用方法:
   BREW の仕様範囲外である浮動小数点演算を扱う方法

などの実践的なノウハウです。また、BREW 3.1 を中心にBREW FAQも加筆されました。
ソフィア・クレイドルでは、今後も掲載記事の充実をはかり、携帯ソフト開発者コミュニティーに貢献していく計画です。

“Tech Cradle” のURL: リンク

本プレスリリースURL : リンク

以上


■用語説明

【※1】携帯 Java
サンマイクロシステムズ社のプログラミング言語環境 ”Java” のひとつで、携帯電話で動作するJava。 Java言語で作成したアプリケーション (Javaアプリ) が実行できる環境が搭載されており、Javaアプリを携帯電話にダウンロードして利用する。携帯電話のハードウェア的な制約で、通常、携帯Javaのプログラムにはサイズ制約がある。2001年1月、NTTドコモが「iアプリ」という名称で携帯Javaアプリのサービスを世界で初めて開始した。現在、欧米、アジアなど世界中で携帯Javaアプリのサービスが広がっている。

【※2】BREW
読み方:「ブリュー」または「ブルー」
2001年1月に米国クアルコム社が発表した携帯電話向けソフトウェアの規格。「ブリュー」もしくは「ブルー」と読む。異なる携帯電話機のOSの仕様差を吸収し、単一のコンパイル後のプログラムをインターネットからダウンロードし、さまざまな携帯電話機でそのまま高速に動作できるように設計されている。日本ではKDDIが2003年2月よりBREWサービスを提供開始。NTT ドコモの一部の機種でBREWが採用されている。2005年11月現在、世界で29ヶ国56 の通信キャリアが採用しており、世界的な規模でその普及が急速に進んでいる。

【※3】C++
読み方:「シープラスプラス」または「シープラプラ」
再利用可能なモジュールを組み合わせてプログラミングする、オブジェクト指向アプローチの観点からC言語を拡張したプログラミング言語。モジュール性と再利用性の観点から、C++ によってプログラムの開発生産性が向上するに止まらず、保守性にも優れるというメリットがある。プログラムのスピードが遅くなり、サイズも大きくなるという点をデメリットとして挙げることができる。

■ 会社の説明

株式会社ソフィア・クレイドル
代表者: 代表取締役社長 杉山和徳
設立日: 2002 年 2 月 22 日
所在地: 京都市左京区田中関田町 2 番地 7
資本金: 2645 万円
事業内容: モバイルインターネットに関する:
1.ソフトウェア基礎技術の研究開発
2.ソフトウェア製品の製造及び販売
3.システム企画及びインテグレーション
ホームページ: リンク

2005 年 11 月 25 日 : ソフトウェアの進化

ソフトウェアとハードウェアの間には隔たりがある。

ハードウェアと違い、ソフトウェアは完成した後もメインテナンスすることで時々刻々と変化する。

要するにソフトウェアとは進化する概念なのだ。

ソフトウェア企業の明暗を分かつポイントは、これについての認識の差によるのではないかと思うほどである。

ソフトウェアの売れ方で特徴的なのは、ジャンルごとに売れるソフトウェアが決まっていて、一極集中型であることに尽きる。OS も、データーベースも、メーラーも、ブラウザも・・・すべてのソフトウェアについて実際に世界で使われているものは 3 種類以内に限られる。

では、利用者は何を持ってそれを選択しているのだろうか?

勿論、"クオリティ"である。

"クオリティ"とは、機能、スピード、使いやすさ、ルック&フィール・・・、それらを総合したものである。

ソフトウェアは時を経て進化できる。

それでは、どうすればソフトウェアのクオリティを、自ずと高まるように進化するのかを洞察すれば良いだろう。ソフトウェアのクオリティは、メインテナンスのフェーズで、プログラムコードが綺麗なものに書き換えられることによって飛躍するのである。

多くの組織では、製品を研究開発する者とメインテナンスする者が別であることが多い。

その傾向は大企業ほど顕著である。

プログラマーの仕事」でも述べたが、ソフィア・クレイドルでは製品を研究開発する者とメインテナンスする者は同一人物。

製品の設計思想を初め、隅から隅までよく理解している者がメインテナンスするので、何処をどう直せば良いかのプロセスがスピーディであり適切だ。

しかも製品への愛着もある。製品の産みの親でない者がメインテナンスするのとでは雲泥の差が出てくるものである。

超一流の作品を創造するには、メインテナンスという泥臭い仕事も喜んで引き受けるくらいの心意気というものが求められる。

ソフトウェアというものは、メインテナンスを経て洗練されてゆくというのは事実である。

2005 年 11 月 24 日 : プログラマーの仕事

ソフィア・クレイドルのプログラマーは、製品の企画、デザイン、プログラミング、テスト、ドキュメンテーション(含む Web 制作)、メインテナンスまで幅広く業務を担当する。単にプログラミングだけをしているわけではないのだ。

大きな組織では、それぞれの業務ごとに担当者が決められていて、プロジェクトチームとして運営される場合が多い。

何故そんな運営方法を採るのか?という疑問を抱かれるかもしれない。

その答えは、単により早くよりクオリティの高い製品をお客様にお届けしたいからという点に尽きる。

例えば、システムの設計をする人( A )とプログラミングする人( B )が異なる場合を想定してみてほしい。A と B の間に必ず何らかのコミュニケーションが発生するはずである。

何故なら、少なくとも A から B へシステム設計に関する情報を伝達しなければ、B はプログラミングに着手できないから。

実は、この時の A から B への情報伝達が"スピード"と"クオリティ"に重大な影響を及ぼすのである。

大抵の場合、設計書と称される詳細なドキュメントによって情報伝達がなされる。ドキュメント作成が大変な作業で不要なオーバーヘッドとなる。A と B が同一人物であるのならば、詳細なドキュメントではなく覚書程度で十分。

しかも A が設計情報を間違いの無い完璧にドキュメントとしてまとめるのは不可能と言っても良い。どこか情報が欠落していたり、間違いがあったりするのが常である。これが原因で不具合が発生したり、後戻りの作業が多発するのである。

いわゆる、伝言ゲームである。

この時、A と B が同一人物ならそのような問題は発生しない。

どんな仕事でもそうかもしれない。システム開発では予期せぬ仕様変更は日常茶飯事。大きな組織では柔軟に仕様を変えながら開発するのは極めて困難である。

アナリスト、システムエンジニア、プログラマー ・・・ と職種を分けてプロジェクトを運営するよりもすべての業務を同一人物が担当する方が、スピードとクオリティという観点からは大幅に改善がなされる。(テストだけは他の人が担当することで効果がでる場合が多い。プログラマーの想定外のケースでテストを行えるからである。)

ベンチャーの最大の強さは、圧倒的な"スピード"と"クオリティ"である。

"スピード"と"クオリティ"は開発のプロセスにおいても徹底追求すべきであり、創意工夫の余地は至るところにある。

2005 年 11 月 23 日 : Ajaxと Blog

AJAX という技術を使えば、ユーザーインターフェイスを中心とした BLOG の革新が起こりそうだ。

数え切れないほど、さまざまなベンチャーが BLOG を提供している。" WEB 2.0 "なんていうキーワードが巷では囁かれたりするけれど、デファクトスタンダードになる Next BLOG は、テクノロジーの観点では AJAX が最大のキーになるだろう。

AJAX とは Asynchronous JavaScript + XML という言葉の略である。

難しそうな言葉の響きがそこにはある。

でも具体的にイメージするには、Zimbra 社のサイトにいってデモを体験するのが一番。

未来への扉を開けてくれる。

新しい発想が閃く。

それから洞察できる未来は、BLOG の編集もマイクロソフトの Word のような感じになるだろうということ。

  • 広い編集ウィンドウの上に WYSIWYG で直感的に文章を書ける
  • いちいち"確認ボタン"を押さなくてもサーバーに途中の文章が保存される
  • スペルや文法、"て・に・を・は"のチェックをしてくれる
  • 辞書が参照できる
  • " UNDO(アンドゥー:元に戻す) "ができる
  • 文字列の検索や一括変換ができる
  • エトセトラ

ワープロソフトのソフトテクノロジーを持つマイクロソフトに有利なはずではあるけれど世界は広い。Zimbra 社みたいなベンチャーが出てくるかもしれない。

AJAX による BLOG のユーザーインターフェイスの革新が待ち遠しい。

続きを読む "Ajaxと Blog" »

2005 年 11 月 23 日 : 未来への架け橋

ソフィア・クレイドルはベーシックなことを大切にし、それをビジネスにする会社。

何故ならベーシックなことには"永続"という性質が付随するから。

会社が永くその名を残すための基本的な原理原則でもある。

事業運営の根本的な思想はそんなところに置いている。

では、変化の激しい IT 業界にあって、何十年、何百年にも渡って存続し続けるものはあるのだろうか?という問いかけが自然な発想だろう。

例えば、100 年後の日常生活を想像してほしい。

過去に存在し得なかった、全く新しい言語で会話をしている姿は想像しにくいのではないだろうか。おそらく、日本語としての純正さを持ちながらも、未来風に多少アレンジの掛かった日本語で会話をしているはずである。

タイムマシンがあったとして 100 年後の未来に旅立つとする。

辿り着いた先が日本であれば、きっと日本語で未来の人びとと意思相通できるだろう。

現に、何百年、何千年も前の古典を読んでも理解できる。

そういう発想で IT 業界を眺めて事業戦略を練り、その通り遂行すれば良い。

浮き沈みの激しい世界の中でも、磐石な基盤を持つ企業として永続できるに違いないと思う。

コンピューターと人びとを繋げるものは、人と人を繋げるものと同じで"言語"である。コンピューター用語で"プログラミング言語"と呼ばれるものである。

最近の"プログラミング言語"は、人びとが会話で使う日本語や英語などと同じく、語彙や構文を増やすことで進化する仕組みが備わっている。

ベースになるものがあり、未来の風に乗って、そこから臨機応変に進化を遂げる。

日本語や英語のような自然言語に近いものを直感して、研究開発事業の根幹を、何十年、何百年も存続できる"プログラミング言語"に関わる内容に集中特化している。

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