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2006 年 03 月 05 日 : System

サラリーマンの頃は、研究開発、システムインテグレーション、プログラミング、製品の企画・開発・販売、マーケティング、セールス、コンサルティング、プロジェクトマネジメント、調査・企画など多種多様な業務を経験した。

起業してからは、これら以外に、経営は当然のこと、自社 Web サイトの構築と運用、経理、資金繰り、貿易、人材採用、事務までもこなした。

高校や大学の同期でも、これだけ多岐に渡る仕事をしたことのある人もいないのではないかと思うほどの多彩さに我ながら感心してしまう。

新たな業務をチャレンジする度に、右も左も分からない状態だから、平日昼間は実務に専念し、休日とか深夜というものは常に新しい仕事のための勉強に当てられたものだった。

それもいまとなっては貴重な体験と言えるかもしれない。

いろんな仕事の中で最も難しいなと個人的に思ったのは、新規のお客様を開拓する"営業"という仕事である。

「経営とは顧客の創造」と P・F・ドラッカー氏は言うが、僕自身も体でそれを学んだように思う。

ボトルネックの理論から、新規開拓の営業が仕組みとして機能するようになればベンチャーは安定する。逆に個人の才能に左右されるようになれば砂上の楼閣のごとく脆いものとなってしまう。

幾度か失敗して、試行錯誤を繰り返しつつ辿り着いた仮説とは、こんな考え方である。

例えば TSUTAYA や Amazon などで思わず購入したものは、気がついたら第 1 位にランキングされる本や CD だったという経験はないだろうか?

多忙を極めると本、CD などをセレクトする時間さえなくなってくる。でも、第 1 位にランキングされているものは当たり外れは少ないし、少なくとも時代のトレンドを探る意味でも価値はあるから、僕は迷わず第 1 位にランキングされているものは買うことにしている。

お客様が何も考えずに買ってくれる状況を創り出せば、個人の営業センスに頼ることもなく難しい新規開拓の営業も自動化される。

その鍵は「第 1 位にランキングされる」というところにある。

第 1 位だから売れる。売れるからトップをキープできる。そして、圧倒的 No.1 の地位がオートマティックに確立される。

それ故に、ベンチャー経営でもっとも重視するのは、創っている商品やサービスが業界で圧倒的 世界 No.1 であるかどうかである。

そうなれないものは躊躇うことなく撤退し、圧倒的 世界 No.1 になれるものに経営資源を集中投下してきた。

具体的には、携帯電話向けアプリを圧縮したり、 C++ というプログラミング言語で開発できるソフトウェアを、創業以来 4 年に渡って研究開発し、製品化し、販売してきている。

携帯ソフト業界に最も詳しい僕たちですら、競合商品と言えるようなものは、ワールドワイドなマーケットにおいてまだ発見できていない。

要するに、マーケットはニッチかもしれないけれども、圧倒的 世界 No.1 なのである。

そんな状況だから、営業マンが不在で、営業、宣伝・広告しなくとも注文は入ってくるシステムが機能するのである。

これは偶然の結果ではなく、最初からそうしようとする強い思いの結果と思っている。