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2004 年 11 月 26 日 : Art is long.

傑作と称される「芸術作品」の息は永い。何百年、何千年、何万年と、その生命は永遠といってもよい。

モーツアルトバッハベートーヴェン。これらの巨匠が作曲したクラシック音楽の作品を好んでよく聴く。全ての作品のあらゆる旋律が、全体として完璧なまでに調和がとれ、言葉では表現できないくらい、心地良く美しい。

人びとから愛し続けられる「芸術作品」というものは、フォルムも美しく、眩しいほど輝いている、と感じる。

ソフィア・クレイドルは、スタッフがアーティストとして、製品(社内では「作品」と呼んでいる)をプログラミングし、マーケティングする。あらゆる面において、芸術的な感性を大切する会社である。

「芸術作品」のレベルにまで仕上げることによって、人びとから作品(製品)が永く喜ばれ、愛される。このことがスタッフの励みとなり、相乗効果を増すように、次の創作活動の意欲へと繋がってゆく。

芸術の本質は「その作品が好きかどうか?」というところにある。

自分たちが惚れ込んでしまうほどの作品だけが、人びとからも喜ばれ、愛される資格がある。だから、プログラミングにしても、マーケティングにしても、妥協は許されない。自分たちが惚れ込んでしまうほどの感動的なアウトプットが出せない限り、「芸術作品」と呼べない。

芸術への道程は長い。

心地よいソフトウェアのソースコードには美しいフォルムがある。モーツアルトが記した名曲の楽譜と同じである。作品であるプログラムのソースコードにも外見上の美しさを追求する。

創業当初、ベンチャーの宿命かもしれないが、背に腹をかえることができず、不本意な作品を世に出させてしまうこともあった。(一般的なマーケットの評価から言えば、十分品質的に合格していたのだが)

欠陥があるのではない。製品として充分に役割を果たし、人びとの役に立っていた。寸分の妥協をも許さないプロとしては不本意なレベルだった。

創業して 3 年となり、ラインナップは充実し、実績が生まれ、売上や利益も加速している。作品がよく売れるようになった。

フラグシップともいえる代表作品のリリースアップを全面凍結した。これまでの異常ともいえる研究開発スピードをひとまず緩め、人びとに永く悦んでもらえるような作品とすべく、そのクオリティを高める仕事に没頭するためだ。

3 年間もの長きにわたった、代表作品の研究開発プロジェクトがまもなく一段落する。2005 年春、我々の最高傑作とも言える「アート」を世に送り出せる日が今から待ち遠しい。

願わくば、人びとに末永く喜ばれ、親しんでもらえるような、息の長い「芸術作品」と呼べるものへと育ってほしい。

追記:

アラン・C・ケイ氏が興味深い発言をしている。

アラン・C・ケイ氏曰く、「私たちはコンピュータをテクノロジーとして考えるのではなく、メディアとして考えるべきである。メディアとして考えると、コンピュータの力でなく、自分が表現したいことについて考え始めるようになる。そうすると突然アートの領域に入っていることに気が付くだろう。」