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2006 年 02 月 22 日 : Swift bic

SWIFT BIC をご存知だろうか?

僕も海外取引を始めるまでは全く知らなかったのだけれど。

海外に送金する時は、直接相手の銀行口座に振り込まれるのではなく「外為センター」と呼ばれる銀行を経由して振り込まれる。

その「外為センター」のコードのことを「SWIFT BIC」という。

弊社の場合、取引銀行は「みずほ銀行」だから「SWIFT BIC」は"MHBKJPJS"。

先方に、この「SWIFT BIC」と呼ばれるコードと取引している銀行の支店名の英語名称と店番号、口座番号を伝えるだけで肝心のお金のやり取りは完結するのだ。

あとはオファーシートと呼ばれる、注文書兼請求書みたいなものを作って、お互いに署名しFaxすれば受注と請求の業務は完了である。

扱っている商品はソフトウェアなので、受注、請求、入金の業務が終われば、後はネット経由でお客様に光速のスピードで届けるのみ。

実際にやってみれば簡単なプロセスなのであるが、これを貿易関係の専門書を読みながら一人で遂行するのにかなり手間取った。

どんなことでもそうだけれど、最初の 1 回目というのは 2 回目以降の圧倒的な手軽さと比較して大変だなと改めて実感する。

サラリーマンをしてた頃、それぞれ専門家がいて何か分からないことがあれば彼ら、彼女らに任せれば、それで終わりだった。

起業すれば、そんなわけには行かない。最初、社長はあらゆることについて自ら考え、そして行動する習慣が求められる。そうしない限り何も始まらない。

無から有を生み出すとは正にそのことなのだ、と実際にやってみてよく分かった。

これは自分に向いて無いことでも、会社の存続や存亡、繁栄がかかれば、選択の余地はない。やるしかないのだ。

"静"から"動"のフェーズに移る時の慣性力をどうやって超えるかが大切であるが、思いが強ければそれもなんて事はない。

しかも、一旦、"動"のフェーズに入れば、逆にそれが慣性力となって後押ししてくれるから皮肉なものである。

0 と 1 って数字の大きさだけからすれば対したこと無いかも知れない。

けれども、現実の世の中の仕組みは掛け算で動いていると言っても良い。

例えば、売上は 商品単価×販売数量 である。

それを考えれば、0 に 100 を掛けても、1000 を掛けても、何も掛けても 0 に変わりは無い。

しかし、1 に 100 を掛ければ 100 になるし、1000 を掛ければ 1000 にもなる。掛ける数字の大きさに応じて、数字もどんどん大きく成長していくのである。

"有"の有難味というのはそんなところにあるからこそ尊いんだし、最初は苦しいけれどもやるだけの偉大な価値があるのだ。

今日、ブラジルのあるお客様から商品の代金の送金があり、商品をインターネットで送る業務をこなしていた。

その処理自体は瞬間的に完了するものに過ぎなかったけれど、海外との取引業務というプロセスを確立するまでには膨大な労力を費やした。

1 回目は大変だけど、2 回目からは瞬時に海外の取引は完了するのだから、そんな苦労は全然大したことないと思えるのが有り難い。そういうトレードオフをどう見積もるかが起業家に要るセンスの一つかもしれない。

インドからも注文が来ている。同じように処理するだけなので 2 回目からは手作業でもたった数分で受注から請求、出荷は完了してしまう。

"有"の尊さを実感できる瞬間である。

  

2006 年 01 月 24 日 : Web 2.0 & Database ?

たまたまネットサーフィンしていたら、

"Web 2.0 の時代ではデータベースが重要だ"

という至極当然なことが書かれていた。

コンピューターが情報システムと呼ばれることになった 1960 年代から今日に至るまで、コンピューターシステムにおいて、データベースはずっと変わることなく根幹を成すものである。

だからデータベースのハイテクベンチャー、米国オラクル社は急成長を遂げた。

むしろ大切な発想は、もっと掘り下げて洞察し、データベースという概念をどのように位置付けるかだろう。

人の心に触れる出来事は、人それぞれの視点や感性によって天と地ほどの開きが生まれる。

それは、同じ出来事でも、あるフィルターを通すことで全く異なる新たな価値が生まれるということを意味する。

世界中でネットが広く普及し、以前にも増してさまざまな人々が利用するネット社会では、データに対する解釈やさまざまデータの組み合わせの中に偉大な価値を見出せるようになるだろう。

それこそが新しい Web システムにおけるデータベースのエッセンスだと思う。

  

2005 年 12 月 23 日 : 忘年会にて

先週、今年初めてにしておそらく最後の忘年会に参加した。滅多に足を踏み入れることのない居酒屋特有の雑沓の中で少々落ち着かなかったけれど、久々に旧友を暖めることができたのは良い事だった。

集まったのは大学時代の同期の 4 名である。僕以外の 3 名は会社の近くの大学で先生をしている。この日記を読んでたりするとか。それでグレン・グールドのピアノを聴いてるのを初めて知って関心してくれた。今のミュージックシーンの音楽も聴いてるのでそれも驚かれた。

彼らと難解(?)な数学や物理の理論的な勉強していた頃が懐かしい。

今では忘却の遥か彼方にある数学理論も、学生時代は人の 3 倍くらい勉強していたかな・・・。それだけに数学という学問の本質やセンスと言えるものが頭の中で健在であることを願う。

学生の頃、励んだ数学という学問をビジネスに活かすべく、ロジカルシンキングなベンチャー経営に臨んでいるつもりである。そういった面ではベンチャー起業家の中ではユニークな存在だろう。敢えてそれを強みに転換して道を拓けようとしている。

学生時代の同期の誰もが経験し得ないような崖っぷちに幾度となく立たされながらも、それらを乗り越えてきた 4 年間である。まだ磐石とは言えないまでも、過ぎ去りし創業の日々と比べるべくもない。

今は僕が主体的に経営するソフィア・クレイドルだが、5 年もすればきっと僕がいなくとも正常に経営が為されているに違いない。

その先に待つ未来に向かってどんな人生を切り拓けば良いだろうか?

旧友と会って、再びアカデミックな世界やアートの道に戻るのも個人的に理想とする生き方かもしれない・・・と感じた日だった。

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2005 年 11 月 05 日 : 興味のある職業

毎年、母校(高校)のサイトに在校生の人気職業がランキングされる。今年の BEST 10 は以下の通り。

 1 位 弁護士
 2 位 医師
 3 位 薬剤師
 4 位 音楽家
 5 位 中学校教諭
 6 位 心理カウンセラー  
 6 位 アナウンサー
 8 位 パイロット
 9 位 通訳
10 位 プログラマー

起業家とか社長、経営者という職業はランキングされたことがない。同窓生でベンチャーを起業して社長日記を書いているのは僕くらい。2 位にランクインしている医師という職業は同窓生に多い。

ベンチャー起業家は何もかも自由に決めれるのでけっこうお勧めの職業であるのだけれども。漠然として訳の分からない職業といった位置づけなのだろうか。それとも想定外の範疇なのだろうか。

時代の潮流というものを読み切って全てを賭けて事業に打ち込む行動はスリルに満ち溢れている。思惑通りに事が進んだ時の喜びは他に代えがたいものである。

TOYOTA、SONY、Panasonic、HONDA、Microsoft、Apple・・・。今日の有名な大企業も最初はベンチャーからスタートしている。学校では大企業の歴史を教えてくれない。そもそも起業経験のない高校の先生がベンチャーの概念を教えるのは不可能だろう。

弁護士や医師も社会に無くてはならない職業である。けれどもベンチャーを起業して世界に通用するような企業に育てるのも、弁護士や医師に負けず劣らず社会から必要とされる仕事である。

TOYOTA に就職するより、TOYOTA みたいな偉大な企業を創造する方がカッコ良いと個人的に思っている。

それから、権威に縛られず思うまま自由に生きる人生も愉快だ。経営の原理原則を外さずに行動しさえすれば夢は実現するものである。

  

2005 年 11 月 02 日 : SophiaFramework 3.0 正式リリース

今日、1ヶ月半のオフを経て、Chief Software Architect が現場復帰した。予定通り β 版のままだった基幹製品 SophiaFramework 3.0 を製品版としてリリース。携帯電話向けアプリが Windows アプリ感覚でさくさく開発できるのが最大のポイント。

世界中の BREW 携帯電話のアプリ開発で利用できる。けれどもドキュメントが 1000 ページ以上もあり、今のところドキュメントの英訳が未完了。海外のお客様には機械翻訳での利用をお願いしている。今後、この英訳も完了させたい。

  

2005 年 10 月 14 日 : ミュージック

Gackt の"DIABOLOS"。例えば今日はこんな曲を聴きながら空を逍遥するような感じで仕事している。

大企業だったら、部長がケツメイシ、サザン、いま話題の NANA のサウンドトラックなんか聴きながら仕事している姿って想像し難い。学生や会社員だった、あの頃の同期のエリートとは一風変わった人生を送っていると我ながら思う。

これまで確かに苦い経験もし、数え切れないほど乗り越えねばならない壁があった。創業初年度は音楽の「お」の字すら無かった。独創的で素敵な製品やサービスがナチュラルに生まれ、そして多くのお客様のもとへと届くようになった。お陰様で、今ではそれがソフィア・クレイドルのスタイルとして定着しつつある。

自分を偽って慣れない受験勉強に励めば、自分の意志に背くような仕事をこなしていた時期もあった。現在への分岐点は何時だったのか。それは定かでない。

振り返ってみて気付くことがある。壁を乗り越えるごとに自分の自由度が増すという事実である。その自分の壁を乗り越えるためには、勇気や意志、優しさといった"心の有り様"が決め手になる。

音楽を聴く度に心豊かになる実感を受けとめることができる。

そんな今日この頃。

  

2005 年 09 月 17 日 : Think different

世に生を受けたその瞬間はみな同じようである。けれども、なぜ時の流れと共に加速するように差が開いていくのだろうか。ずっとそんな疑問をもっていた。

自分なりに考えたひとつの答えは、米国アップルコンピュータ社でも有名な "think different"という"人とは一味違った思考と行動のパターン"である。

一時に異なった視点からものごとを捉えること、ビジネスであれば”お客様と自分”という両方の座標軸で眺めて行動するような感覚である。これで大雑把ではあるけれど、人よりも2倍のパフォーマンスを発揮できるのである。

こんな姿勢も10回連続すれば、
  2×2×・・・×2=1024
ということになり算術的にも圧倒的な差というものの説明が付く。

何の心配もない安定した境遇に置かれると、人は持てる100%の能力を発揮しなくなる。50%くらいの稼働率で無為に過ごしている人もいるかもしれない。

逆の意味で"0.5"という数字を10回かけるとどうなるか。掛ければかけるほどその値は限りなくゼロに収束してゆく。

  
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